天気の子 感想
オススメ度:君の名はが好きな人には100%
大ヒット作の「君の名は」の新海誠作品です
はっきり言って前作よりも作家性が強い作品です
率直に感想を言うと、作品の完成度はより高まったものの「君の名は」のほうが好きだなって感じです
作家性の強い作品を自信をもってこれだけの規模で公開できること自体凄いことですし、はっきりと突き抜けた潔さが気持ち良い
ごちゃごちゃ説明しないところ、エモーショナルな演出は見事!細かいところが気になる自分の方が間違ってる感じがしてきます
比べてしまって申し訳ないですが
作家性を強く出したのにハンパに説明してしまった細田守監督の「未来のミライ」より思いっきりがいいんですよね
前作「君の名は」のほうが好きといいましたが、その理由は「天気の子」のほうが安定感があるんです
作品として成熟しているんですが
「君の名は」のほうが見ていてハラハラしたんですよね単純に
(ハラハラはストーリーにではなくて、作品としてどう転ぶかにですけど)
こちらの作品「天気の子」はおそらく賛否がハッキリと別れると思います
そしてどんなに否定的な意見を言っても、言ってるほうがヤボな人になってしまう力強さがあります
※以下、ネタバレ
言うだけヤボといいましたが、脚本とリアリティラインは驚くほど稚拙です
おそらく新人の小説家や漫画家が同じプロットを出版社に持って行ったらボツか大幅な直しを食らうレベルです
でも逆にいいんです
あえて、この10代の素人が書いたような話を恥ずかしげも無く堂々と展開することで
作品全体が青臭く瑞々しい空気に包まれるのです
セカイ系と呼ばれる閉じた男女の話が世界全体に影響する展開はお馴染みですが、一応ひと捻りあります
まるで大事のような世界の形がどうのっていうフレーズは何回か聞かされますが、主人公も観客もまあいいか〜程度の着地となります
あまり暗くならないのがいいですよね
ガチの不満点は、主役の男女が恋に落ちる経緯が弱いことです、もうちょっとお互い惹かれていく描写があればクライマックスに乗れた感があるのと
警察を振り切ってまで救いに行ったあの子に、保護観察中だからと遠慮はするんだとか
警察官にタックルするの多めとかね
おっといけない!ヤボなこと
ラストの再開シーンはグッときましたね
思ったよりストレートでサラッといくので逆に意外ですよね