ローライフ 感想

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オススメ度:暴力描写(グロめ)が平気な人にはオススメ


低予算でつくられた映画でタランティーノも絶賛したとかウワサの作品です


タランティーノっぽいノワールなんですが、最初のほうだけです


冒頭はホントにB級な感じで隙だらけなんですが、先の読めない展開に引き込まれていくうちしっかりと物語は収束していきます

登場人物にまっとうな人はひとりもいないのにお話しは正統派ですごくいいです

明確な主人公はおらず

まず大悪党のテディ

テディの用心棒モンステロ

モンステロの妻

モンステロの妻の母

テディの会計士

刑務所あがりの会計士の親友

この6人の群像劇なんですが恐ろしく狭い世界の話なのでわかりやすいうえに時系列をいじって同時刻を別人物の視点で繰り返すので観客には何が起こっているのか明確です

それで現状起きていることやそれぞれの立場はきっちり把握させながらも、次に起きることは推測できないという非常によくできた展開

また、登場人物は全員ダメ人間でアウトな行為をやらかすんですが、ギリギリ良心があったりと人間らしいんですよね



※以下、ネタバレ


低予算映画では非常によくできているんですけど

悪役のテディがあんまり強そうじゃないのと、移民局の警官は全員敵なのかアイツだけなのかハッキリしてほしかったのと

やっぱりクライマックスが淡々としてたかなぁという感じです


タランティーノ作品と似ているせいで比べちゃうとタランティーノにはヒリヒリする膠着状態の溜めからの事が起きたら大惨事という十八番があるんですけど、今作はそういうメリハリがないんですよね

とくにモンステロの暴力行為は2回ほど省略されるので、発動したらさぞかし陰惨なんだろうと期待してたら頭をグシャグシャ潰すだけでしたからね(十分かもしれない)

その代わり物語の終わりかたはタランティーノよりキレイにまとまるので決してダメじゃないんですけど


覆面の用心棒モンステロと刑務所から出所したてのお人好しの2人はとても魅力的なキャラクターです

クズだけど憎めないところがあり、一握りの良心で正義に転ぶラストはとても感動しました